ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

以心伝心〜オオカメノキ

大亀の木(オオカメノキ)の白い花が 春の山を清らかに装います 純白のブーケを連ね 祝福の調べが 静かに重なり合います 大亀の木は なんともかわいい芽を付けて 冬を越します 冷たく研ぎ澄まされた空に アンテナを張っているかのよう 春になると 閉じていた…

天に気を通す〜ハクモクレン

モクレンの開花のエネルギーを ふさふさの毛皮で大切に包んだ蕾は 辛夷(しんい)という生薬となります 鼻の通りを良くしてくれ、鼻炎・蓄膿・頭痛などに用いられるものです 深い呼吸は、自己と肉体とのつながりを強めます そのためには鼻を通して呼吸するこ…

悲しみと幸せの色香〜さくら

春の心は、どうしようもなく桜の色香に誘われてしまう それはきっと心の深いところにある悲しみに響くから 日本では昔から桜の樹皮を民間療法でもよく用いられました 生薬名「桜皮(おうひ)」と呼ばれ、漢方薬にも配合されます 鎮咳、去痰、解毒、排膿、収…

十字の光〜レンギョウ

はっとするような鮮やかな黄色の輝きを しなやかな枝に連ねて 十字の花を咲かせるレンギョウ 英名はGolden bells(金の鈴) 中国名は黄寿丹 春の希望を象徴するような花です 花言葉は、「期待」「希望」「叶えられた希望」 大気汚染や病害虫に強く、生命力旺…

妖精たちの舞踏会〜エゾエンゴサク

春の林床に妖精の世界が広がります エゾエンゴサクが美しい踊り子として輝いています エゾエンゴサクの学名はCorydalis ambigua Corydalisとは雲雀(ひばり)を意味し、花の形がそれを連想することから名付けられたようです 生薬の延胡索(エンゴサク)は、…

春の表情に魅せられて

函館も芽吹きや開花のエネルギーに溢れています ぐんぐん移り変わる美しい表情から目が離せません エンレイソウも出始めました エンレイソウの芽吹きに萌え萌え くるくるが開いてゆく エンレイソウは花がつくまでに10年以上かかります 開花まで生き残るのは…

繊細さを包む〜カタクリ

函館山の麓にカタクリの花がたくさん咲いていました 春の優しい光の中で、ほんの短い間だけその美しさを地上に表現する“Spring ephemeral(春の儚いもの)” 今に溢れている光を、私たちに見せてくれています カタクリの鱗茎はデンプンが豊富で、かつては本来…

暗闇に咲く光 〜スノードロップ

スノードロップは冬の終わりから春にかけて咲き出し、春の訪れを告げてくれます。 様々な国で言い伝えのある花ですが、まだ雪の残るうちから咲き始めることも多く、暗闇や死の恐れの向こうに再生する、静かな灯火を象徴するような花だと感じています。 キリ…

目覚め 〜福寿草

函館山では、福寿草の花が春を告げています。 だんだんと高くなってゆく太陽を映すように 麓の東南斜面から次々と咲きはじめます。 その黄色い花は光沢があり、陽が当たると眩しく金色にも見えます。 “わたしの宝刀を抜くと その刀の刃先から フクジュソウの…

金色の光とともに

夕暮れ時のお散歩 色の抜けた毛と 傾いた陽が溶け合い 金色の光を纏うあなたは 本当に美しかった ただそこにいてくれるだけで私は大きな幸せをもらっていたの その形は愛の中へと帰っていったけれど煌めく光頬を撫でる風可愛い花の姿りんごの甘酸っぱさ人と…

ベツレヘムの星

ある美しい日 素敵な教会に舞い降りた ベツレヘムの星は レモングラス味 奇跡に導かれたその宝石に キスをしたら すべてが赦され 新しい導きの星となって 宇宙の彼方へと消えた ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ 大切な日に贈られた、愛の満ちたゼリーを 美味しくいただき…

妖精たちの祈り

今年も 「世界に一冊だけの本・展」の時期がやってきました 昨年をご存知ない方はこちらへ pirkamer.hatenadiary.com 今回は“妖精たちの祈り”がテーマになっています 植物の中にある軽やかな聖なるエッセンス 古来より植物は信仰とも縁が深いのですよね 作り…

鳥兜

その気高きもの 毒をもって阻み 不用意には近づくことができない 知恵ある選ばれしものだけが その無限の愛に触れる けれど愛は全てのものの帰りを待っている トリカブトは不思議な気高さを放っています 紫の烏帽子のような花のかたち (英名Monkshoodは修道…

秋桜

秋の桜と書いてコスモス 北海道では7月から咲き始め いち早く秋の気配を連れてきます 英名も学名もCosmos 宇宙Cosmosと同じ名を持ちます 古いギリシア語Kosmosから由来 秩序整然とした統一体としての宇宙。または、世界。 秩序。調和。 〜デジタル大辞泉 星…

木漏れ日の中で

いつもこちらのブログを読んでくださり本当にありがとうございます Organic Apothecary Pirkamerは 2018年3月3日より たくさんの方々に 助けていただきながら 様々に試行錯誤をしてやって参りました 開業当初は素敵なシェアオフィスをスペースをお借りして …

彼の岸

彼岸花はお彼岸の頃、ちょうど今ごろに花を咲かせます 全草に毒を持ち 土に穴を開けるモグラやネズミを避けてくれるので 田畑の畔や墓地などによく見られる花 死やあの世を連想させ、不吉な怖いイメージもあります 花言葉も「あきらめ」「転生」「独立」「再…

五情について

中国思想ではあらゆるものを木火土金水のバランスで見ていました 感情についても 怒り、悲しみ、喜び(楽)、憂い(思)、恐れを 五情として木火土金水に配当します でも、私はこの五情のバランスをどこかちぐはぐに見ていたことに気づいたのです 楽しくて喜…

今という花

ハマナスの蕾と要塞跡(函館山にて) これまでの記憶も これからの可能性も すべて今ここにあります 与えられている流れを読み 滞っているところがあれば 丁寧に浚ってゆきます 与えられているものを無視して 今という花を踏みつけていないか こんな自分なん…

内なる花

恋い焦がれていた 今しか出会えない妖精 好きな花はたくさんあるけれど 落葉樹の林床に咲く 可憐な春の花が特に好きです 春の発揚とともに 一気にあふれる喜び 束の間の開花がとても愛おしい 森の落ち葉のふかふかベッドの中で 冬の間はじっと内的に過ごし …

ヨモギの里

今年も愛しいヨモギの里を訪れました 美しいヨモギ畑 雪残る大雪山 山から流れてくる豊かさと人の営みとの間にあるもの (ヨモギのハウスでの作業風景、今年はさらに現地でのご縁が深まりますますパワフルな4MGさん♡) そこここに神様を感じる ここに来ると…

言葉は半分

言葉は半分 伝えるけれど すり抜け 受け取るけれど 流れてゆきます その言葉の意味は 話し手受け手の前提で変容し 多くは見せたいもので 飾り立てられて それぞれが受け取りたいものを 受け取っています 発される言葉の中には 真実はなかったりして ずっとず…

ここにあるもの

朝の澄んだ光 呼吸できるということ 水が飲めるということ 緑の美しいきらめき 雨のしとやかさ 太陽の温もり 愛する人の笑顔 思いを言葉に紡げるということ 伝える相手がいるということ 家に明るさが灯るということ 温かいご飯が食べられるということ 豊かさ…

チベットの精神医学

色心不二 自他不二の生命観に根ざした 医道即仏道の チベット医学の粋! とある古本屋で 帯の言葉に引きつけられ出会った 一冊の本が面白すぎます チベットの精神医学―チベット仏教医学の概観 作者: テリークリフォード,Terry Clifford,中川和也 出版社/メー…

信仰

信じること、信仰は素敵なことだと思います ただ、それが盲目的になっていないかどうか 不安や自分への否定の苦しみから 逃れ、目を背けるために 自分の感覚を塞ぎ、盲目的に仰いでいたら その信仰の対象がなんであれ(イデオロギーでも学びでも) 自分から…

器を育む

ヨモギは女性性の器という言葉がしっくりくる (オオヨモギArtemisia montanaまたはヨモギArtemisia princeps) 愛の器 包容力 懐の大きさ Being そこに存在しているということ そこへの圧倒的な肯定感 温かい血液という愛を巡らし 心を鎮め穏やかに柔らかに…

大きな木に心を重ねて

悩んだとき 苦しいとき 行き詰ったときは この視点、この視座には答えがないのかもしれません 問題を凝視する目を外して リラックスしてみましょう ぼやっと抽象的であるのとは違い 抽象度が高いというのは多くの情報量を含みます 大きな木に心を重ねてみま…

存在の魔法

“私は完璧” メリーポピンズ 彼女の存在はとてもスマートで美しいのです きっとその自己肯定感は 魔法を在らしめている大事なポイントなんでしょう 困った時はひっくり返って見てみたら 違った景色が見える! 暗いときは小さな火を灯そう それは生涯あなたを…

冬の終わりに寄せて

明日は節分 暦の上での冬は終わろうとしています 冬は自分の根っこと向き合う季節でしたので それが脅かされる恐れが現れやすい 五情の中でも恐れという感情が配当されます 適切に働けば、恐れは生命を守る感情でもあります とはいっても 感情が連鎖して大火…

おかあさん、ずっとみてて。

sp.walkerplus.com sp.walkerplus.com 何でもないシーンなのに なぜかジーンと泣けてくる 気持ちの最も根っこにあるものなのかな 一番ピュアな気持ち 自分であれやこれやと ややこしくしてはいるものの 結局はここから始まっているのかもしれない 試しに こ…

善か悪か ポジティブかネガティブか 安楽か困難か 豊かさか貧しさか 好きか嫌いか 幸せか不幸せか 自由か不自由か どちらの極にも きっと答えはなくて 極のどこかに執着すると 流れが悪くなる その二元世界から脱けて 両方を眺められたときに 自在に選び取れ…