ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

2020-01-01から1年間の記事一覧

以心伝心〜オオカメノキ

大亀の木(オオカメノキ)の白い花が 春の山を清らかに装います 純白のブーケを連ね 祝福の調べが 静かに重なり合います 大亀の木は なんともかわいい芽を付けて 冬を越します 冷たく研ぎ澄まされた空に アンテナを張っているかのよう 春になると 閉じていた…

天に気を通す〜ハクモクレン

モクレンの開花のエネルギーを ふさふさの毛皮で大切に包んだ蕾は 辛夷(しんい)という生薬となります 鼻の通りを良くしてくれ、鼻炎・蓄膿・頭痛などに用いられるものです 深い呼吸は、自己と肉体とのつながりを強めます そのためには鼻を通して呼吸するこ…

悲しみと幸せの色香〜さくら

春の心は、どうしようもなく桜の色香に誘われてしまう それはきっと心の深いところにある悲しみに響くから 日本では昔から桜の樹皮を民間療法でもよく用いられました 生薬名「桜皮(おうひ)」と呼ばれ、漢方薬にも配合されます 鎮咳、去痰、解毒、排膿、収…

十字の光〜レンギョウ

はっとするような鮮やかな黄色の輝きを しなやかな枝に連ねて 十字の花を咲かせるレンギョウ 英名はGolden bells(金の鈴) 中国名は黄寿丹 春の希望を象徴するような花です 花言葉は、「期待」「希望」「叶えられた希望」 大気汚染や病害虫に強く、生命力旺…

妖精たちの舞踏会〜エゾエンゴサク

春の林床に妖精の世界が広がります エゾエンゴサクが美しい踊り子として輝いています エゾエンゴサクの学名はCorydalis ambigua Corydalisとは雲雀(ひばり)を意味し、花の形がそれを連想することから名付けられたようです 生薬の延胡索(エンゴサク)は、…

春の表情に魅せられて

函館も芽吹きや開花のエネルギーに溢れています ぐんぐん移り変わる美しい表情から目が離せません エンレイソウも出始めました エンレイソウの芽吹きに萌え萌え くるくるが開いてゆく エンレイソウは花がつくまでに10年以上かかります 開花まで生き残るのは…

繊細さを包む〜カタクリ

函館山の麓にカタクリの花がたくさん咲いていました 春の優しい光の中で、ほんの短い間だけその美しさを地上に表現する“Spring ephemeral(春の儚いもの)” 今に溢れている光を、私たちに見せてくれています カタクリの鱗茎はデンプンが豊富で、かつては本来…

暗闇に咲く光 〜スノードロップ

スノードロップは冬の終わりから春にかけて咲き出し、春の訪れを告げてくれます。 様々な国で言い伝えのある花ですが、まだ雪の残るうちから咲き始めることも多く、暗闇や死の恐れの向こうに再生する、静かな灯火を象徴するような花だと感じています。 キリ…

目覚め 〜福寿草

函館山では、福寿草の花が春を告げています。 だんだんと高くなってゆく太陽を映すように 麓の東南斜面から次々と咲きはじめます。 その黄色い花は光沢があり、陽が当たると眩しく金色にも見えます。 “わたしの宝刀を抜くと その刀の刃先から フクジュソウの…

金色の光とともに

夕暮れ時のお散歩 色の抜けた毛と 傾いた陽が溶け合い 金色の光を纏うあなたは 本当に美しかった ただそこにいてくれるだけで私は大きな幸せをもらっていたの その形は愛の中へと帰っていったけれど煌めく光頬を撫でる風可愛い花の姿りんごの甘酸っぱさ人と…