ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

シラカバの里〜小さい丘から展望する世界

 Pirkamerの北海道ハーブの里を巡る旅は続きます

 

爽やかなシラカバ茶を届けてくださっているのは

十勝平野の沿岸部にある大樹町の

“インカルシペ白樺”さんです

 

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インカルシペとは

アイヌ語で“小さな丘の眺望のきくところ”の意味とのこと

 

 

白樺は北海道のような北国ではよくみられますが

ひらひらと風に舞う葉や白い樹皮が光と戯れ

爽やかな初夏を演出してくれています

 

落葉した後も白い樹皮は

太陽の光を纏い、晴れると眩しいほどで

寂しい季節にも明るい世界を見せてくれるように思います

 

春には樹液が採れ

身体が喜ぶ飲料や化粧品原料となったり

 

初夏には

若い枝葉からはお茶が作られ

その香りと味はまさに飲む森林浴

 

夏至の頃には樹皮が剥がれやすくなります

白樺は寿命は70〜80年くらいと樹木としては短命ですが

更新するものはこの時期に切って樹皮をいただき

カゴを編んだり、アクセサリーにすると

引き続き私たちと共にいてもらうことができるのです

白樺の樹皮は寒さから護るために耐寒、耐水、抗菌効果を備えていて

水に強く、しなやかで、腐りにくい性質があり

アイヌの生活にもよく利用されていたようです

 

樹皮を一部剥がしたものがありました(観察用?)

 

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また、白樺に寄生するカバノアナタケチャーガとも呼ばれ

白樺の樹液を栄養に成長し、最終的には樹を枯らしてしまうのですが

βグルカン(免疫活性)やSOD(活性酸素除却、抗酸化作用)が豊富で

多くの健康効果が注目されています

 

生のカバノアナタケにはじめて会えて興奮!

2万分の1という確率でしか見られないという幻のキノコなのです

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今回は白樺茶作りを教わって参りました

例年5月末〜6月上旬くらいが時期のようです

若い葉がのびのびとしている

ちょうど新緑が眩しい頃ですね

 

個人的に使う分だけでしたので

軽トラの荷台から手を伸ばして枝葉を一部いただきました

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白樺は同じ木に

茶色っぽく垂れ下がる雄花と

緑色で上向きで小さめの雌花がありますが

雄花の方は除いて作るようです

 

 

雄花を除きつつ

ハサミで適当に扱いやすい大きさに切ります

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何度か水を換えながら念入りに洗います

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天日で乾燥

やはり晴れの日が望ましいです

湿気が戻る前に夕方にはハウスへ

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一日で葉部分は概ね乾きました

スケジュール的にあとは暑い車内で乾燥(笑)

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乾燥できたら

ハサミでチョキチョキするか

粉砕機で粗く砕いたら完成

 

白樺茶も新茶は最高に美味しいです♡

 

 

 

 

 

 

インカルシペ白樺を営んでいらっしゃる米山さんは

最近お父様から引き継がれましたが

それまではガーナで日本語教師をされたり

現地で見聞きしたことを伝えるために絵本を執筆されたり

今でも冬の間はガーナを拠点にボランティアで絵本の読み聞かせをされています

 

なぜガーナへ行かれたのでしょう?

 

米山さんは子どもの頃に見たポスターで

アフリカの飢えた子どもの写真にショックを受け

なぜこんななことがあるのかと

アフリカへ行き現実を見に行きたいと思われたのだそうです

 

その子どもの頃の想いは失われることなく

大学時代に出会った留学生とのご縁でガーナへ

その後日本語教師の資格を取得し現地でご活躍されます

 

 

こちらは米山さんが執筆された

奴隷貿易の話を題材にした絵本です

サラガのバオバブ

サラガのバオバブ

 

 

 

“インカルシペ白樺”でも子供たちを対象に

自然の中で新しい世界を見てもらうような活動をされたり

 

今後は大樹町に農業技能実習に来ている外国人向けに

日本語教師としてフォローするだけではなく

日本や他の実習生との交流の場を設けていくなど

 

ご活躍の場は本当に幅広いです

 

白樺の可能性についても

大学の先生などの協力を得て精力的に研究されています

 

白樺の特性を活かした商品開発もOEMで進んでおり

発売もそう遠くはないようです

アフリカで出会った素材と白樺の融合

北海道とアフリカの架け橋になるような商品とのことで楽しみです

 

 

様々に活動されていますが

想いは平和への願いのため

 

ターゲットの主軸は子どもたちです

 

未来を作る子どもたち、若い人たち

大切なことを伝えていくこと

 

見ていらっしゃる世界が本当に広く大きいです

 

フィンドホーンのフラワーエッセンスによると

白樺の花のメッセージは“知覚とビジョンの拡大”とのこと

 

白樺は先駆種、パイオニアであり

他の樹が育ちにくい裸地に先駆的に根付き

土地を豊かにして他の樹が育ちやすい環境を作るのです

 

小さいときから白樺とともに過ごし

自然とシラカバのエッセンスを受け取っていたことが

米山さんのご活躍のベースにあるのではないだろうかと

しみじみ感られたのでした

 

 

 

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“インカルシペ白樺”

その小さい丘から眺望されるのはとても大きな世界なのでした

 

 

incalshipe.jimdo.com