木彫りのあとぐちさん
ブログのトップページにいらっしゃるこちらのコロポックル
北海道には木彫り職人さんがあちこちにおられますが
こちらは洞爺のあとぐちさんという方の作品です
その前にギリギリ滑り込みでお会いすることができました
いろんな木彫りの店を拝見しましたが
こちらはご自分の作品と、一部あとぐちさんのお友達の作品しか置いておらず
ポリシーを感じる素敵なお店です
旭川にこもる前だったので作品は少なめでしたが
作り途中の作品から宝物を発見したので
お願いして仕上げていただきました
それがこれ!
(左の羊は北欧の陶器メーカーのもので関係ありません、アイヌは狩猟民族ですがなんとなく羊飼い風になっちゃった)
なんとも愛らしいアイヌのおじさんです♡♡
他に見かけない形でしたので
あまり作られないのですか?と尋ねたところ
時間がかかるからとのお返事
ただこれはオンコ(イチイ)の素材だったので
作ろうと思われたのだそうです
オンコとはアイヌ語の名ですが
北海道ではオンコは何か特別な存在のようですね
そしてこちらはフクロウさん
左のエゾシマフクロウはアイヌでは位の高い神さまとされていました
素材は聞き忘れ。。
右の白いエゾフクロウの材は“エリマキ”とのこと
調べてみたらアイヌではマユミやツリバナの類を“エリマキというそうです”
繊細な材で細かい彫刻に向いているらしい
北海道の木彫りで最も多いのはやはり熊さん
位の高い神さまでアイヌ文化に深く根付いた動物だからでしょう
私自身が旭川に住んでいたことや
興味があってアイヌのことを少し勉強していたこともあり
あとぐちさんもいろんなことを話してくれました
阿寒湖周辺を管理していた方がアイヌ文化を守るために
木彫りで自立できるよう土地を無償で提供するなど
援助してくれてできた場所なのだそうです
(あとぐちさんはアイヌではないですがアイヌコタンに入り、アイヌのお友達がたくさんいらっしゃるみたい)
アイヌ文化を継ぐご高齢の木彫り職人さんは
旭川出身が多いようで
私が旭川で住んでいたのも
アイヌが鮭を獲って生活していたちょうどそのエリアで
旭川ではかつてあったアイヌのリアルを感じることが多くありました
その暮らしが和人によりどんどん制限され
アイヌとしての暮らしを辞めざるをえなかった
ごく一部の人の支援により
その文化の一部がかろうじて残されているのです
あとぐちさんにお会いした翌日に
こんな記事に出くわしました
阿寒でアイヌを支援したまさにその人なのでした
超シンクロありがたや
大変勉強になりました
あとぐちさん本当にありがとうございました
またお店に伺いますね
(お・ま・け)アイヌのおじさんの背中♡
香りの里 たきのうえ
現在、薄荷生産量の国内圧倒的シェアを持つのは北見地方の滝上町(たきのうえちょう)
(ちなみに薄荷の乾燥風景は終了してたので、これは次の蒸留待ちの紫蘇)
小麦の乾燥風景みたい
フタをしたら1時間半ほど火にかけ蒸します
(蒸気を冷やすと精油と蒸留水ができます)
精油を取り出す瞬間はみんな注目!
テレビ取材まで来ています
精油の下に蒸留水が上がってきてます
境目で止める分液システム
精油がドバドバ出てきて
嬉しくなっちゃいますね♪
蒸留を終えたら釜の圧を抜いて蓋を開けます
薄荷の蒸気が充満し、ハッカサウナ状態に
クレーンで中身を取り出します
なぜかみんなこの湯気を頭に浴びたくなるみたい
しばし浅草寺にあるような風景
トラックに乗せられ畑に帰っていきます
土にすき込まれてまた次のハッカの肥料になるのです
湯気を出しながらトラックが里山を走るという
蒸留する日だけの風物詩
いいなぁ〜
のどかですねぇ〜
蒸留水は今のところ扱いが難しいみたいで
ほとんど産廃だそうです
《薄荷の品種についてのメモ》
ハッカ油用に栽培されているものの多くは
“ホクト”という精油のたくさんとれる品種とのこと
最後の改良種(優性選別)で病気にも強いとか
かつて北見地方のハッカ栽培が世界の7割を誇っていた時代がありました
輸入や合成香料が主となり農家が皆やめていく中、瀬川さんという方が“JM23(Japan Mintの略)”という品種を作り続けたそうです
ハッカ栽培の火を灯し続けた数少ない農家さんがいたからこうしてまた少しずつ復活しているのですね
瀬川さんは今もJM23を作り続けています
記憶の中にあるあのミントの香り!
スッキリメントールの良い香りでした
そして、原種系の“赤丸”は
まだ栽培面積が小さいのですが
りんねしゃさんという会社が無農薬、無化学肥料で栽培しています
たまたま畑に生えていたんですって
改良されたものに比べ収量、栽培難易度の問題があるようですが、甘〜く柔らかい香りが魅力です
ホクトに比べ面積あたりの平均収油量は1/6
頑張ってほしいですね♪
無農薬・無化学肥料で栽培されている2件の農園さんからいろいろとお話伺ってきましたのでリンク貼っておきます
さばいでぃ農園さん
東京ご出身、アジア雑貨を旅しながら売り歩いていたというお兄さん
りんねしゃさん
愛知県の会社で蚊取り線香などオーガニックな商品を扱ってます
北海道農場では除虫菊も栽培されているよう
農家さんは皆さん好意的に迎えてくださり
笑顔のウェルカムがとっても印象的でした
若い方も多くこれからが楽しみです
青々とした畑も拝見したいな
きっとまた訪れます
また一つ大好きなところが増えたのでした♡
愛の丘 〜 ハマナスの恵み
ハマナスに恋した一人の男がおりました
その男はオホーツク海を望む丘一面に
ハマナスを植えました
農薬も外から持ち込んだ肥料も施さないけれど
毎年、夏にはたくさんの花が咲き、丘はピンク色に染まります
そして秋には無数の実がなります
その男は3年前に亡くなりましたが
家族が想いを引き継ぎ
自然が種を運び
年々豊かに多様になっています
亡くなってもなお愛する夫から
たくさんの恵みが贈られ
かわいい幸せな笑顔が咲き、喜びが満ちているのです
ハマナスはよく海辺の砂地に自生しているバラ科の低木
北海道によく見られ、道の花にもなっています
北海道の興部町のかみでファームさんは
ハマナスの素晴らしさを商品として出している
日本で数少ないハマナス生産農家さん
しかも自然のパワーもバッチリ!
おばちゃんの人懐っこい笑顔も魅力です
海外産のダマスクローズもいいけれど
ハマナスは身近な愛の花
特に女性にはたくさん届けばいいなと思うのです
実はローズヒップと言われ
また漢方薬で咲きかけた花は玫瑰花(まいかいか)と呼ばれ
女性の心身のケアに昔から大切にされてきたものです
香りも素晴らしいです♡
カムイミンタラ 秋の衣をまといて
日本で最も紅葉の早いという旭岳へ
私もどうやら高山植物の魅力にデビュー!
森林限界ギリギリのハイマツさん
チングルマの紅葉、鮮やか!
シラタマノキ
ちっちゃな森に魅了されます♡
強い風や雪の中、しなやかに生きている植物たち
そのパワーに元気づけられました
すごい薬効だわ
お花畑の季節にも来なくっちゃ♪
噴き出す大地のエネルギー!!
私はあまり山登りはしないのですが、ここはロープウェーで登って散策できます
ロープウェーで降りた姿見駅は標高1600メートル
たまたま風もなく、雨も降らず助けられましたがうっかり軽装でした
山の天気は変わりやすいので防寒、雨具の備えはして来た方が良さそうです
ここはカムイミンタラ、まさに神々の遊ぶ庭
山から見た盆地には天使のはしごがかかりキラキラと輝いていました
上川盆地は旭岳の恵みとエネルギーが豊かに流れています
南の朱雀
東洋思想では
東西南北を四神という4つの獣が司っていると考えられていて
北の玄武、南の朱雀、東の青龍、西の白虎
中央の黄竜とあわせ、五行の木火土金水にあてられています
ちなみにそれぞれの神に対応する漢方薬処方もあり
玄武湯(真武湯)、朱雀湯(十棗湯またはそれに似たものの説)、青龍湯(小青竜湯、大青龍湯)、白虎湯
これらはどれも漢方の原型である傷寒論に記載されているものです
(十棗湯はとても強い下剤なので、現在使われることはまずないと思います。胸脇に溜まった水を下すイメージ。)
北海道の南方にある都市、函館は函館山を頭として
鳳凰(朱雀)が羽を広げている様子と言われるそうで
そして身体の中心には五芒星があったりします
函館は、北海道の南の朱雀が司る場所と言えるのかもしれません
歴史的に様々にカギとなっている場所でもありました
どの場所も大切ではありますが
気の流れが非常に重要な場所の一つなのかもしれませんね
北を拓く
網走にある北方民族博物館
北海道だけでなくシベリア、スカンジナビア、アラスカ、グリーンランドなどの民族の暮らし、文化、精神世界に触れられる展示がされています
夏が短く、冬はマイナス20〜30度という凍てつく世界
うかうかしていたら命に関わる
そこにわざわざ挑んだ先人たち
展示からはすごい知恵とバイタリティ、高い精神性とがうかがえます
各民族の衣装
北の土地での実用性を備えます
一番右の細長いフードは子どもを背負うためのもの
美しい装飾品が大集合
独特の文様は自然への畏敬の念や魔除けの意味などがこめられます
アザラシなどの腸を縫い合わせて作られた防水着!!
シャーマンの世界
エスキモーのシャーマンの仮面
人間の世界、動物の世界、超自然的世界が表現されているらしい
近代でも
帯広で晩成社を立ち上げた依田勉三や
クラーク博士に導かれた札幌農学校の学生たちを始めとした開拓者たちなど
想像もつかないような苦労を超えて
失敗の方が大きかったのかもしれないけれど
この土地に描かれた希望の道は
後に続く人たちの光となり
こうして私たちは北海道の素晴らしい恵みと美しさを享受しています
北海道には特別なスピリットがある
北海道の古い史跡や文化には氷を融かすような熱い炎が感じられるのです
草の楽園
ハーブのイベントでお会いした堀田先生を追っかけ
北海道医療大学の講座に行って参りました
ここの薬草園が最高♪
まずは校舎のそばにある区分けされた見本園も素敵で
五味子が鈴なり♡ よく韓国で五味子茶になって売ってるもの
藤助防風モサモサ
その名の通り風を防ぐ
風(湿)によって風邪や痺れこわばり、痛みが起こっているようなものにね
美しく撮れなかったのですが麻黄も元気!
発汗薬として風邪薬に入っているもの
交感神経亢進させるのでドーピング薬
唐胡麻(またはヒマ)ってこんなに美しいのね。。
ひまし油の原料
などなど
そしてそしてこの見本園の奥に広がる裏山も薬草園なのです!
もともとは客土事業で荒れて笹だらけになってしまったところだそう
そこをこの堀田先生が中心となり
地道に鋏で笹の根切り(掘り起こさず根切りっていうのがポイント!)を続けたところ
笹の中でひっそり生きていたものが広がり
土の中でじっと待ち続けた種が芽生えたのだそうです
( 愛する薬草園で堀田節炸裂♪の堀田清先生)
エンレイソウやシラネアオイ、エゾエンゴサク、カタクリなど北海道で良く見られる野草たちだけでなく
トチバニンジンが他に例がないほど群生したり
希少なオニノヤガラが自生してたりする
オクトリカブトの花も本当に美しかった
なんと写真撮り損ねるという不覚。。
トチバニンジンの葉はウサギに食べられまくっているが特に保護はしていない様子
先生曰く、トチバニンジンは自然からのギフトだった
でもこうしてウサギが食べることでバランスがとられているのかも
その流れを写真に撮り続けて記録するのが大切、と
あくまでありのまま
素晴らしい薬草園の在り方だと思います
先生は道すがら草花を食べたり
花についた水滴を吸ったりする
これぞ何よりの薬!!
先生はすこぶる元気なのです
“俺がエビデンスだから!”
先生ならではの語りで薬草の本質とは何かを教えてくれるのでした
これから定年までは谷をきれいにして
春には黄色いエゾノリュウキンカの花いっぱいにしたいそうです
ああ夢のよう
キハダの実を初めて食べました
ミカン科らしい爽やかな酸味と甘みと苦味!
美味しくてむしゃむしゃ
キハダの実はシケレベとも言い、アイヌの人々はお茶や香辛料として使います
何度でも訪れたい草の楽園
最高の薬草園なのでした
見学は自由です
興味のある方は是非訪れてみてください
北海道ハーブ
北見の郊外の奥まったところ
香遊生活という
自然栽培ハーブの生産農家さんがあります
敷地内の循環のみで栽培し
全部手摘み、乾燥工程にもかなり気を使っているようです
JAS認定を受けていて
その環境を守るため
一般にはこの畑に足を踏み入れられるのは年に一度くらいのイベントのときだけ
そんな贅沢なイベントに行って来ましたよ
いやしの祭典2017
https://www.jaa-aroma.or.jp/iyashinosaiten_pj/iys2017_stl-venue/
めっちゃナチュラルな オホーツクハーブまみれで幸せ
北見の気候は年間の寒暖差が激しく
香り高いハーブとなるようです
でっかい自然とともにある
北海道ハーブのポテンシャル高しです!
神々の遊ぶ庭
北海道の最高峰 旭岳があり
北海道の代表的な河川である石狩川の源でもある
アイヌの人々は “カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)”と呼んだ
『動物や植物は神の化身であり
この世での姿である。
神の国からそれぞれの任務を担って姿を変え
地上に降りて住み
さまざまな活躍をする』
〜アイヌ植物誌より
アイヌ植物誌 | 福岡 イト子, 佐藤 寿子 |本 | 通販 | Amazon
神々って主に熊のことを言っていたり
山々での自然の厳しさであったり
自然への畏敬の念を表現している言葉のようです
その大雪山系の神々の息づかいを感じる大雪高原
“大雪 森のガーデン”の春
何という楽園でしょうか
夢の共演♡
咲き始めのヤマシャクヤクは匂い立つような美しさ
微妙にピンぼけで悔しい
カムイミンタラと名づけられたエリアもあったりして
花は神々の遊びの表現であるという感性にも
激しく共感です
神々の中でもフクロウは特に敬われていたよう
上川盆地は南部に移りまして
ぶどう畑の中にある六花亭の直営店
さすがのロケーションです
時間を知らせる鐘の音がまたいい♡
その敷地内には
ギャラリー 神々の遊ぶ庭
窓からの風景が何よりの芸術品
ここから見える十勝岳は大雪山ではないけど大雪山系には含まれるようです
アートもまた神々の遊びの表現が降りてきたもの
ここでは北海道の大自然と共鳴する作品が展示されています
あぁ大好きなものがいっぱいで幸せ♡