ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

ヤドリギ

函館元町の素敵な花屋BOTANさんで

愛しのヤドリギと出逢い

家にお迎えしました

 

いつもは高い木の上を見上げるだけの遠い憧れ

地面に落ちた欠片を拾うささやかな喜び

 

ちょっとその枝をわけていただき

近くで愛でさせてくださいな

 

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ヤドリギは半寄生植物

光合成は自分でするけれど大地には根を張れないから

水や養分を宿主である樹木を通して得ています

 

実が鳥に運ばれ

排泄された種がその粘着力によって木にくっつき

そこに芽を出し根を下ろす

 

ヤドリギは宿主を枯らすほど蔓延ることはあまりないようで

寂しい冬に鳥たちが集まる豊かな環境を与えています

 

木々がすっかり落葉した景色の中に

緑の葉を巣のような佇まいで宿らせることから

不死や再生、愛の象徴、神聖なものとして

クリスマスに飾る文化もあるのです

(正確にはキリスト教以前の、ケルトの信仰から続いている)

 

 

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私たち人間も大地には根を下ろせないから

生態系と繋がることで生命を維持し

人の間に根を下ろすことで強くなります

 

漢方薬では桑寄生(そうきせい)といわれ

穏やかさをもたらす生薬となり

また、一部では癌の治療にも用いられますが

寄生植物を癌に用いるというのは興味深い符合ですね

 

 

ヤドリギの下”には素敵な愛の言い伝えがあります

ヤドリギを飾ることはきっと世界から愛を受け取るためのおまじない

その下を通るたびに一枚一枚拒絶の衣をはいで

優しく強くなってゆけますよう祈りをこめて