ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

香りの里 たきのうえ

現在、薄荷生産量の国内圧倒的シェアを持つのは北見地方の滝上町(たきのうえちょう)

 
滝上町の8軒の農家が共同で釜を動かし順番に蒸留していくという年に一度の一大イベントがありまして
そこへ私も行って参りました
 
良い体験でしたので記録も兼ねて書いておきたいと思います
 
びっくりしたのが乾燥方法がお茶として飲むハーブなんかとはスケールが違うこと

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(ちなみに薄荷の乾燥風景は終了してたので、これは次の蒸留待ちの紫蘇)

 

 

小麦の乾燥風景みたい

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真っ茶っちゃになるまで乾燥するんですね

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その方が葉っぱ同士がくっつかず
抽出効率が高いそう
 
 釜への投入風景、中にも人がいて粉まみれになりながらびっしり敷き詰めます

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フタをしたら1時間半ほど火にかけ蒸します

(蒸気を冷やすと精油と蒸留水ができます)

精油を取り出す瞬間はみんな注目!

テレビ取材まで来ています

 

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精油の下に蒸留水が上がってきてます

境目で止める分液システム

 

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精油がドバドバ出てきて

嬉しくなっちゃいますね♪

 

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蒸留を終えたら釜の圧を抜いて蓋を開けます

薄荷の蒸気が充満し、ハッカサウナ状態に

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クレーンで中身を取り出します

なぜかみんなこの湯気を頭に浴びたくなるみたい

しばし浅草寺にあるような風景

 

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トラックに乗せられ畑に帰っていきます

土にすき込まれてまた次のハッカの肥料になるのです

 

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湯気を出しながらトラックが里山を走るという

蒸留する日だけの風物詩

いいなぁ〜

のどかですねぇ〜

 

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蒸留水は今のところ扱いが難しいみたいで

ほとんど産廃だそうです

 

 

 

《薄荷の品種についてのメモ》

 

ハッカ油用に栽培されているものの多くは

“ホクト”という精油のたくさんとれる品種とのこと

最後の改良種(優性選別)で病気にも強いとか

 

かつて北見地方のハッカ栽培が世界の7割を誇っていた時代がありました

輸入や合成香料が主となり農家が皆やめていく中、瀬川さんという方が“JM23(Japan Mintの略)”という品種を作り続けたそうです

ハッカ栽培の火を灯し続けた数少ない農家さんがいたからこうしてまた少しずつ復活しているのですね

瀬川さんは今もJM23を作り続けています

記憶の中にあるあのミントの香り!

スッキリメントールの良い香りでした

 

そして、原種系の“赤丸”は

まだ栽培面積が小さいのですが

りんねしゃさんという会社が無農薬、無化学肥料で栽培しています

たまたま畑に生えていたんですって

改良されたものに比べ収量、栽培難易度の問題があるようですが、甘〜く柔らかい香りが魅力です

ホクトに比べ面積あたりの平均収油量は1/6

頑張ってほしいですね♪

 

 

 

無農薬・無化学肥料で栽培されている2件の農園さんからいろいろとお話伺ってきましたのでリンク貼っておきます

 

さばいでぃ農園さん

https://sabaidei.jimdo.com/

東京ご出身、アジア雑貨を旅しながら売り歩いていたというお兄さん

 

 

りんねしゃさん

http://www.rinnesha.com/

愛知県の会社で蚊取り線香などオーガニックな商品を扱ってます

北海道農場では除虫菊も栽培されているよう

 

 

農家さんは皆さん好意的に迎えてくださり

笑顔のウェルカムがとっても印象的でした

若い方も多くこれからが楽しみです

 

青々とした畑も拝見したいな

 

きっとまた訪れます

 

また一つ大好きなところが増えたのでした♡