ピリカメル

植物とともに美しい世界を創造してゆく

夏の土用の養生

今日から夏の土用

活動的にエネルギーを外に発散していく夏から

だんだん中へと納めて形にしていく秋へ向かう

変わり目の時です

 

土用とは春夏秋冬の終わりにある変わり目の約18日間

東洋思想の木火土金水の内、土が旺している時です

土用は体調や運気を乱しやすく

昔から気をつけるべき教えが伝えられています

 

要は土台を侵さないということ

大きな移動や新しいことなど自分の土台に触れることはせず

身の回りの整理整頓をし、身体を整えて(特に胃腸)

秋の流れに備えるのです

 

特に夏(火)の土用は

五行の相生により土が強くなります(火生土)ので意識を向けることが必要

 

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土、胃腸は全ての土台になりますが

今は胃腸を整えることに余分に気を配りましょう

 

五味の中で土が配当する

甘味の食材をベースに土台を整えます

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とはいえ砂糖などの甘味は控えめに

強い甘味は胃腸を甘やかし腎を傷つけますので

そして鹹味(しおからい)のもの、適度なミネラル補給と、

辛味のもの、薬味やスパイスなどを添えると

全体のバランスを取れてGOOD!

 

 

 

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があります

夏の土用は旧暦の未月(6月)であり

その未の性質を和らげるのが

十二支の反対に位置する丑であります

 

丑は水の性質を持ち、五臓では腎にあたります

土が強まり過ぎると五行の相剋により腎(水)が弱りますので

水の要素も意識して補うのです

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昔は牛は貴重な生き物でそれを食べるのは難しかったので

“ウ”のつくものとしたという説になっていますね

基本甘味の性質でありながら精力をつけてくれるものを

夏の土用にいただくのは理にかなっています

ウナギは是非山椒をかけてシジミ汁と一緒にどうぞ

 

近頃ウナギは貴重なものになりつつありますが

今は精力のつく食べ物はいろいろありますから

ウナギに限らず身体を整えて夏の土用を乗り切りましょう

胃腸が弱って消化力が落ちている方は油っぽいものは控えめに

 

 

土を補うもの→甘味、米や小麦粉など主食、大豆製品、芋類、多くの肉や魚など多数

水を補うもの→鹹味(しおからい)、黒いもの、海藻、適度に良質のミネラル

金を補うもの→辛味、薬味系、シソ、生姜、山椒、ネギ、大根、唐辛子など

 

 

そうめんに海苔と薬味を添えたり

豆腐にじゃこと薬味をのせたり

麦とろに青のりや薬味をのせたり

鯖を味噌と生姜で煮たり

うーん和食ってワンダフル!

 

 

 

 五行図は下の2冊からお借りしました

図説東洋医学 基礎編

図説東洋医学 基礎編

 

東洋医学の基礎を豊富な図で説明してくれてます 

とはいえ専門的な内容なので漢方や鍼灸を勉強したい方に

 

 

旬を食べる 和食薬膳のすすめ

旬を食べる 和食薬膳のすすめ

 

こちらは日本の食事に沿った薬膳のこと

日々いただいている和食の素晴らしさを

再認識することができる本です

今回のブログもこちらを一部参照しています

オススメです

 

 

 

 函館の紫陽花はまだまだこれから

コスモスと一緒に咲くのです

グラデーションがきれい

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一緒に世界を駆けて行く

犬のお散歩をしていると

外の世界に夢中の様子で

本当に可愛くて

 

でも夢中すぎて

また老犬なので耳も遠くて

車が近づいて来るのも気づかない

 

危ないときは

リードを引っ張って

回避してあげる

 

犬としてはたぶん

いいところに邪魔が入って

渋々という反応だけれど

 

大好きで信頼している人だから

またシッポを振って一緒に駆けて行く

 

 

 

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同じようなことって

私たちにもあるのかもと

思うのです

 

これが答えだと信じて

狭い視野の中で

一生懸命にやってるつもりだけれど

全然うまくいかない

 

強制終了と言わんばかりの出来事が

立て続けに起こる

 

これって自分の意識を超えたところから

リードを引っ張られて

違う違う、こっちじゃないよ

と言われていることに似ているのかもしれない

 

自分としては思い通りにいかないから

挫折感を味わうけれど

それは本当は逆で

きっと守られているからなのです

 

自分の信じることを大切に

でもあとは委ねる

 

答えはちゃんと返ってくる

それからまた大切なものを研ぎ澄ましていく

 

そうしたらリードを引っ張られて

エネルギーを無駄にすることなく

内なる主人と一緒に世界を駆けて行けるのかな

 

 

 

 

Pirkamer文庫から

“星々と木々〜ゲーテシュタイナー科学への道”

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ギリシャやローマなどの神話に登場する神様は

宇宙を構成する普遍的シンボル

西洋では惑星は神話の神々に例えられ

空の星々は人間の住む現実世界の鏡のようにとらえていました

 

そして植物、とりわけ薬草となるものに

昔の治療家たちは惑星の性質を見出し

治療に用いてきました

 

その元型は集合無意識で私たちと繋がっているのです

 

植物の仕草や性質をつぶさに観察し

惑星の軌道なども根拠にして相応を捉え

火風水土のエレメント(東洋でいう木火土金水のような概念)とともに

植物の理解を深めたのがシュタイナー科学でした

 

※なお、どの惑星を対応させるかは絶対的なものではなく

あなたが別の惑星を感じたとしたならそれも1つの答えかもしれません

 

広葉樹はベースとして拡大を象徴する木星としての性質を持ちますが

その上でさらに小宇宙として惑星を当てはめています

 

この本では

太陽〜トネリコ

月〜桜

水星〜楡

金星〜白樺

火星〜オーク

木星〜楓

土星〜ブナ

を例に話を展開しています

 

ここではPirkamerでも扱っている白樺の項をちょっと抽出してみましょう

(引用ではないので悪しからず)

 

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白樺、その在り方はとても軽やかで

ほっそりとして柔らかく周辺に向けて細くなって溶けてゆく

葉も花も実も軽やかに大気に身を捧げている

 

それほど大地に依存していないので深い根は持たない

光を求め横に広がっていく

 

白樺は荒地にも最初に進出していく樹木

20年ほどで最盛期を迎え不毛の地を豊かにして

自らは退き他の木々に場所を譲るのだ

白樺は不毛の地を光溢れる地に変えていく

 

これら硬化プロセスの抑制は

“金星”を通して木星の作用が弱められているということ 

 

白樺は大きな樹冠を作らず

若木のような形姿を保ち続ける

 

白い樹皮は明るさを与え光を反射し輝いている

 

外皮は長持ちし様々な容器の材料として用いられてきたが

その受容力は金星の特性が大いに発揮されている

 

白樺の大地の水の循環に寄与するのと同じく

私たちの身体の水分の循環を促す

そして硬化と脆さをもつ傾向のある人たちを柔軟にしてくれるのだ

 

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金星は人体のなかでは腎臓と関係がありますが

白樺茶は腎臓や膀胱に働きかけ水分代謝を促進すると言われます

 

また、抗酸化作用を持ち、関節や血管や皮膚をしなやかに保ち

外界との不調和を意味するアレルギー反応を緩和するなど

私たちへの恵みは多岐に渡ります

 

白樺に触れることで白樺の性質が共鳴し

私たちの心身から内なる軽やかさとしなやかさを引き出してくれる

 

明るさを求めて“恐れ”を超越し

新しい世界を開拓していく

 

そこにあるのは

ただ“喜び”なのです

 

 

 

 

星々と木々―ゲーテ・シュタイナー科学への道

星々と木々―ゲーテ・シュタイナー科学への道

 

 

 

Pirkamerで手にとっていただけます

素敵なオフィスでどうぞゆっくりお読みください

紫雲膏が口紅として最高という話

私はどうも口紅が苦手で

あの匂いと唇がガビガビする感じがダメなんです

 

そんな私が毎日手放せないアイテム

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ジャーン

紫雲膏です

 

この色がいい具合に唇に色をのせてくれます

食事をすると取れますがまた塗るからいいのです(^^)

口に入っても大丈夫

フォーマルな場だろうと私は全部これです

 

この軟膏、優れポイントは色だけではありません

 

唇に嬉しい生薬が使われているのですから✨

 

 

当帰(トウキ)

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セリ科の薬草で根を生薬として用います

婦人病処方の主薬として大切な生薬ですが

浴剤としてもよく使われ、外用にも優れています

血の巡りを良くして潤いを与えます

陰を補い、女性性にも関わる素晴らしい薬草

 

 

紫根(シコン)

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ムラサキ科の薬草で根が生薬となります

昔からその根を染料に用い、紫という高貴な色を表現するのに欠かせない存在でした

少し前に紫根が美白に効くとかで紫根が品薄になりましたが(笑)

化粧品にもよく配合されており

炎症を抑え、傷を修復するなど肌にとてもありがたいもの

 紫根の色素と同じものを化学的に合成して口紅にも応用されているみたいです

 

 

この2つの生薬を高温のごま油で抽出してミツロウを入れて軟膏としています

ごま油はアーユルヴェーダに用いられ

近頃美容に良いと話題になることが多いですが

抗酸化物質が豊富で油として酸化しにくいのもいいですよね

 

 

 

紫雲膏もいろいろありますが

私の愛用している製品はコレ

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剤盛堂さんの“赤色ワグラス軟膏”です

 

皮膚のお薬 | 剤盛堂薬品株式会社

 

 

【第3類医薬品】ホノミ漢方 赤色ワグラス軟膏 15g

【第3類医薬品】ホノミ漢方 赤色ワグラス軟膏 15g

 

 

取り扱い実店舗はホノミ漢方を扱っている薬局さんで

“ホノミ漢方”とお住まいの地域をググって探せます

 

 

厳密にいうと紫雲膏は豚脂(ラード)が入っていますが

この軟膏には入っていません

 

中国の明の頃の書物「外科正宗」に記されている“潤肌膏”に

有名な華岡青洲が豚脂を加えて“紫雲膏”としたわけですので

これは“潤肌膏”と言った方がいいかもしれません

  

そしてこの赤色ワグラス軟膏は

特許技術で上手に空気を入れて練ってあるとかで

とてもなめらかでのびが良〜い

 

唇に塗ってもちょっとグロッシーで艶やか

色合いは落ち着いた大人の赤です

 

地の唇もくすみを取って血色を良くしてくれてるなぁと感じていて

これからもずっとお世話になると思います

何より塗ってて気持ち良いのでストレスフリー♡

 

あ、周りへの着色は注意ですね

 

薄くすれば手に塗っても触れたものに着色しないし

マッサージしながら塗り込めばダブル効果で血行を促すことができます

 

どんなものでも肌に合わない可能性はありますのでそこはご理解いただけたら幸いです♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅雨の過ごし方とハーブと

まぁ北海道はとにかく雨続き

本州の梅雨でもこんなに雨が続くのを経験したことがありません

3週間近くこんな感じです。。

 

こんなときは身体にもやもやと湿気がたまります

氣も巡らず鬱々としてしまいがち

 

環境から受ける影響を感じるのも

地球に生きる醍醐味と言えますが(笑)

できたら受けっぱなしではなく

上手に観察してコントロールしたいもの

 

湿気が多いとなんだか息苦しい感じがします

皮膚がうまく呼吸できないのでその分負荷もかかります

 

胃腸に湿気がたまり

むくみやすくなります

 

気温は低くても

この季節ですから冷房や冷たい飲み物で冷やし

汗など水のさばきを抑えてしまう

 

喘息や長引く咳、めまい、関節の痛みなどを

起こしている方も多いのではないでしょうか

 

雨模様で室内にこもるため

気持ちも内に入りがち

冬ならある程度いいですが今は夏

 

氣は外に出たがっているときです

 

 

こんなときはシャワーで済まさず

ゆっくりお風呂に浸かってジワジワと汗をかくのです

※珠のようにかいては良くありません。

じんわり汗をだすことで邪が汗と一緒に出ていきます

発散が悪いとのぼせやすいこともありますが、その場合は半身浴がおすすめです

 

北海道では獲れませんが生姜はとっても良いです

胃のパワーを扶け発散を促してくれます

 

シソ科のハーブもおすすめ

芳香健胃薬として胃の中のジメジメをさばき

柔らかく発散に導いてくれます

シソやミント、バジル、ナギナタコウジュ、タイムなどなど

香りが良く滞った気分を巡らしてくれますよ

料理に薬味や香り付けで使うのもよし

もちろんハーブティーもおすすめ

アロマも良いですね

 

利尿、排泄を助けるものと組み合わせるのもよし

シラカバやネトル、スギナ、ハトムギなど

その中でも自分の感覚に合ったもの是非試してみてください

 

陰陽の流れと動きを観て

同時に感覚と向き合い

摂るものを選択していくと

未然に対処しやすくなります

 

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例年にない雨が続く北海道

今年は紫陽花がいつもよりキレイな気がします

雨のときこそ映える紫陽花に癒されています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地の呼吸

 

私たちが呼吸し

滞りなく血液が循環することで

イキイキとした肉体があるように

 

心も呼吸する

興味惹かれるものを吸収し

自由に表現、創造できれば

私たちの営みは豊かであり

肉体も元気になる

 

大地も呼吸し

水と空気が巡ることで

豊かな母体を維持される

大地の恵みは私たちの心身を豊かにする

 

私たちは呼吸が不十分だと

良い血液が巡らないので

栄養が行き渡らず

不要なものもうまく排泄できない

 

心も呼吸できないと苦しい

興味のあるものと接点を持てなくなり

自分らしい表現の術を忘れる

鬱々として肉体の代謝も鈍くなる

 

大地だって呼吸できない環境にあると

水や空気が通らなくなり

有機物が分解せず腐敗して溜まったり

硬くなって恵みを与えることができなくなる

 

多種多様な植物が生きていると

縦横無尽に根が張られ

水や空気の流れる道が広がる

 

植物が水の調整役となり

そこにある生態系という宇宙とともに土壌を保持してくれる

 

森を皆伐したり

コンクリートでせき止めたり

何かを部分に切り取り対処することは

繋がりを切断し、その系をバラバラにしてしまうことも多い

 

 

それは身体の病気でも

心の問題でも

環境のことでも同じこと

 

私たちは自然の一部であり

ミクロコスモスもマクロコスモスも相似形で

そして影響し合っている

 

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矢野智徳さんという山梨の造園家の方から始まった

“大地の再生”の輪

 

それは大地の空気や水の通り道を感じ

自然な流れを整える土木作業

自然との調和の方法を広めています

 

file.5「風土を再生する〜里山整備の視点」:森林ボランティア:森へ行こう!|私の森.jp 〜森と暮らしと心をつなぐ〜

 

www.ak-sizensaibai.com

 

 

大地に愛情を持って向き合います

それは身体をいたわるかのよう

 

血脈を通してあげるように

ツボを押してあげるように

傷口を塞いであげるかのように

 

そうやって優しく手当することで

枯れそうになっていた樹が緑を取り戻したり

困った強草の勢いが落ち着き、可愛い花と一緒に共生したり

不快な臭いを発していたところが気持ちの良い場となったりします

 

小さなスコップや草刈り鎌でできることもたくさんあります 

 

 

まずはイベントに参加してみるのがおすすめ

体感で学ぶことができます

m.facebook.com

 

ブログに綴られていることから学べることも多いです

“大地の再生講座”でググってみてください

 

 

心の風通し良くすることも大切です

大きく呼吸して気血を巡らしましょう

 

矢野さんの言葉をお借りすると

 “自然はミクロもマクロも相似形”なのだから

 

一人の力は小さくても

集まれば大きな力に

 

北海道からも小さなことからひとつずつ 

 

これからの愛し方

http://pirkamer.hatenadiary.com/entry/2018/07/08/162524

先日、東海・関西の方々から

“北海道は最近大丈夫?と”聞かれたのをきっかけに

はたと思い、北海道について客観的に考えたことがありました

 

確かに一昨年の台風に続き、今年の長雨・大雨・低温など

北海道は大変なときを迎えているのかもしれません

 

全国いろんなところで様々な自然現象が起きているので

特別に北海道だけがおかしなことになっているようには感じていないけれど、、

 

北海道では農業が特に大切な産業になっています

第一次産業の占める割合は全体の3%程度(全国では1%程度)とあまりピンと来ない数字ですが

その景観が第三次産業に貢献しているところも大きく

北海道の農業産出額は全国の13.2%(H28年)

全国の食料自給率が40%(カロリーベース)に満たないのに

北海道は約200%、十勝地方に至っては約1100%⁉︎

 

北海道の農業が打撃を受けるとき

日本全体の食についても考えるときでもあるように思います

 

十勝は見渡す限りの畑や牧草地が広がります

ほとんど機械を使った大規模農業

効率はよいのですが

たまに防風林として植えられている程度で

あまり樹木がありません

 

樹木は大地のダムになり

様々な自然現象を緩和してくれる存在です

 

更なる効率を求め

今もなお樹が切られているのです

 

大雨や台風が来たら浸水や河川の氾濫が起こりやすいし

海の土砂は流出しやすくなり海の生き物の生息にも関わります

 

十勝の風景は本当に大きくて大好きなのですが

実際に訪れても大地がしんどそうに感じるところが見られます

 

需要があるところに経済が流れるのですから

私たちの毎日手に取るものがどんな背景を持ってどんな影響があるものなのか

そこに想いを寄せる必要があるのかもしれません

 

北海道の農業がより大地と調和したものになるために

私たちの消費が未来への投資になるように

 

在り方が問われているとき

この厳しさがより素敵な未来への道筋となるよう選択をしていけたら、、

 

そんな風に愛していきたいものです

 

 

 

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十勝平野は開拓以前、柏が続く森だったようです

六花亭は時折シンボル的に柏を用います

 

柏林の中に作られた中札内美術村

今や十勝平野では貴重な柏林が美しく昇華されていて

とてもスケールの大きい愛を感じます

 

 

 

 

 

シラカバの里〜小さい丘から展望する世界

 Pirkamerの北海道ハーブの里を巡る旅は続きます

 

爽やかなシラカバ茶を届けてくださっているのは

十勝平野の沿岸部にある大樹町の

“インカルシペ白樺”さんです

 

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インカルシペとは

アイヌ語で“小さな丘の眺望のきくところ”の意味とのこと

 

 

白樺は北海道のような北国ではよくみられますが

ひらひらと風に舞う葉や白い樹皮が光と戯れ

爽やかな初夏を演出してくれています

 

落葉した後も白い樹皮は

太陽の光を纏い、晴れると眩しいほどで

寂しい季節にも明るい世界を見せてくれるように思います

 

春には樹液が採れ

身体が喜ぶ飲料や化粧品原料となったり

 

初夏には

若い枝葉からはお茶が作られ

その香りと味はまさに飲む森林浴

 

夏至の頃には樹皮が剥がれやすくなります

白樺は寿命は70〜80年くらいと樹木としては短命ですが

更新するものはこの時期に切って樹皮をいただき

カゴを編んだり、アクセサリーにすると

引き続き私たちと共にいてもらうことができるのです

白樺の樹皮は寒さから護るために耐寒、耐水、抗菌効果を備えていて

水に強く、しなやかで、腐りにくい性質があり

アイヌの生活にもよく利用されていたようです

 

樹皮を一部剥がしたものがありました(観察用?)

 

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また、白樺に寄生するカバノアナタケチャーガとも呼ばれ

白樺の樹液を栄養に成長し、最終的には樹を枯らしてしまうのですが

βグルカン(免疫活性)やSOD(活性酸素除却、抗酸化作用)が豊富で

多くの健康効果が注目されています

 

生のカバノアナタケにはじめて会えて興奮!

2万分の1という確率でしか見られないという幻のキノコなのです

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今回は白樺茶作りを教わって参りました

例年5月末〜6月上旬くらいが時期のようです

若い葉がのびのびとしている

ちょうど新緑が眩しい頃ですね

 

個人的に使う分だけでしたので

軽トラの荷台から手を伸ばして枝葉を一部いただきました

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白樺は同じ木に

茶色っぽく垂れ下がる雄花と

緑色で上向きで小さめの雌花がありますが

雄花の方は除いて作るようです

 

 

雄花を除きつつ

ハサミで適当に扱いやすい大きさに切ります

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何度か水を換えながら念入りに洗います

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天日で乾燥

やはり晴れの日が望ましいです

湿気が戻る前に夕方にはハウスへ

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一日で葉部分は概ね乾きました

スケジュール的にあとは暑い車内で乾燥(笑)

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乾燥できたら

ハサミでチョキチョキするか

粉砕機で粗く砕いたら完成

 

白樺茶も新茶は最高に美味しいです♡

 

 

 

 

 

 

インカルシペ白樺を営んでいらっしゃる米山さんは

最近お父様から引き継がれましたが

それまではガーナで日本語教師をされたり

現地で見聞きしたことを伝えるために絵本を執筆されたり

今でも冬の間はガーナを拠点にボランティアで絵本の読み聞かせをされています

 

なぜガーナへ行かれたのでしょう?

 

米山さんは子どもの頃に見たポスターで

アフリカの飢えた子どもの写真にショックを受け

なぜこんななことがあるのかと

アフリカへ行き現実を見に行きたいと思われたのだそうです

 

その子どもの頃の想いは失われることなく

大学時代に出会った留学生とのご縁でガーナへ

その後日本語教師の資格を取得し現地でご活躍されます

 

 

こちらは米山さんが執筆された

奴隷貿易の話を題材にした絵本です

サラガのバオバブ

サラガのバオバブ

 

 

 

“インカルシペ白樺”でも子供たちを対象に

自然の中で新しい世界を見てもらうような活動をされたり

 

今後は大樹町に農業技能実習に来ている外国人向けに

日本語教師としてフォローするだけではなく

日本や他の実習生との交流の場を設けていくなど

 

ご活躍の場は本当に幅広いです

 

白樺の可能性についても

大学の先生などの協力を得て精力的に研究されています

 

白樺の特性を活かした商品開発もOEMで進んでおり

発売もそう遠くはないようです

アフリカで出会った素材と白樺の融合

北海道とアフリカの架け橋になるような商品とのことで楽しみです

 

 

様々に活動されていますが

想いは平和への願いのため

 

ターゲットの主軸は子どもたちです

 

未来を作る子どもたち、若い人たち

大切なことを伝えていくこと

 

見ていらっしゃる世界が本当に広く大きいです

 

フィンドホーンのフラワーエッセンスによると

白樺の花のメッセージは“知覚とビジョンの拡大”とのこと

 

白樺は先駆種、パイオニアであり

他の樹が育ちにくい裸地に先駆的に根付き

土地を豊かにして他の樹が育ちやすい環境を作るのです

 

小さいときから白樺とともに過ごし

自然とシラカバのエッセンスを受け取っていたことが

米山さんのご活躍のベースにあるのではないだろうかと

しみじみ感られたのでした

 

 

 

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“インカルシペ白樺”

その小さい丘から眺望されるのはとても大きな世界なのでした

 

 

incalshipe.jimdo.com

 

ヨモギに逢う旅②

4MGさんのオオヨモギが育つのは

美しい大雪山系を臨む素晴らしいところ

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美瑛に特徴的なアップダウンの多い地形の中で

丘の中腹にあり

隣接する林から豊かな栄養をもらいつつ

ほとんど人目にも触れずひっそりと元気に育っています

 

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周りの植物も多種にわたり

たくさんの虫や鳥などの小動物とも共生しています

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周りにはタンポポ、スギナ、クローバー、スイバ、ヒメスイバ、オオバコ、ヒメジョオン、フキ、セイタカアワダチソウ(?)、オトギリソウなどなど

陽当たり大好き陽性植物仲間たちと共にいます

 

調和している環境だからなのでしょう

ヨモギも虫食いが少なくとてもキレイ(もちろん完全な農薬肥料不使用)

おかげでお茶作りも楽なのだそうです

 

 

 

 

ワラビもいっぱい(ホクホク)

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立ち枯れた昨年?のヨモギ

空になった小さな蜂の巣

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美しい鳥の声やエゾハルゼミの合唱も

大自然の協奏曲を盛り上げます

 

 

 

 

隣接したシラカバの林の中も

手前側はヨモギタンポポが生えていました

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ベニバナイチヤクソウとヨモギのツーショット

ベニバナイチヤクソウは紅花一薬草と書きます

薬草として全草を用い、生薬名は鹿蹄草

リアルに活用しているという話は聞かないのですが

何やらこの絵にメッセージ性を感じますね

青みがかった緑と赤のコントラストが素敵♡

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写真を撮り忘れたのですが

クルマムグラっぽいかわいい花も咲いていました

  

 

奥に進むとシダのような陰性植物がメインに

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ヤッター!

マムシグサ

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植物たちの様子を見ていて

これからもっと豊かな林になっていくのだろうなぁと感じ

また訪れる楽しみがいっぱい

 

このような自然とともにあるヨモギなのです

 

 

 

そしてさらにヨモギ茶を美味しくしているのが

何と言っても

梶さんの“愛”

最強のエッセンスです

 

素敵な笑顔!

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その愛の根底にあるのは

女性の命が輝くようにとの願い

癌の苦しみを味わい尽くしたからこそ与えられる愛

 

バイタリティあふれる梶さんですから

その愛を届けるためのビジョンはもっと先を見ています

 

体調の安定しない癌患者さん(婦人科系)の働く場であると同時に

自然の中でヨモギとともに在ることで癒され

生きる希望を持つことができるような環境を作っていけたらと

 

そしてさらには

医者や看護師がいて医療設備が整った

安心してヨモギとともに療養できるような施設を作りたいのだそうです

 

実際に癌を乗り越えた(経過観察中)からこそ癒せるものがある

 

流行最先端、アパレル系でバリバリ働いていたからこそ

デザイン、ブランディングにもこだわり感性豊かな女性に響くものがある

 

人生紆余曲折、でも無駄なものって何もないのですよね

ほんとうに

 

 

 

 

 

大丈夫よって包み込む器

命を育み、豊かさを生む器

大きな女性性

ヨモギはまさにハーブの女王

 

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ヨモギの裏面のシルバーのような色は

どこか月を思わせ

その血への働きは女性のバイオリズムとも深く関係します

 

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ヨモギの属名Artemisa

深く出逢うほどに

その意味に改めて感動するのです

 

ありがとう

また逢いにくるよ

 

草かんむりに“逢”で“蓬(ヨモギ)”

 

今回の旅で私もヨモギへの愛がより深まりました

 

梶さん

美瑛の方々

ヨモギや草花、虫や動物たち

 

本当にありがとうございます

 

 

 

 

いただいた新茶もたまらなく美味しい

改善を加えられたそうで

昨年よりも美味しくなっています

香りがとても豊か

これからの季節はヨモギの冷茶もオツなものです

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4mgyomogi.com

 

 

ameblo.jp

 

 

 

 

 

最後に梶さんおすすめのヨモギ撮影スポットより

美瑛らしい素敵な風景です♡

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ヨモギに逢う旅①

Pirkamerでお取り扱いしている北海道ハーブの里巡りの旅

今回は美瑛町、4MGさんのオオヨモギです

 

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ご存知、ヨモギはとても生命力が強く

全国の山野、道端など至るところで見られます

よもぎ餅やお灸などに用いられ、私たちにとって身近な野草

アイヌでもnoya(もみ草の意)と呼ばれ、食用、薬用、魔除けなど文化や信仰の中で重要な役割を果たしてきました

 

土地によって微妙に姿形、種が異なりますが

北海道に生えているのは南方のものに比べて背が高く大きいものです

主にオオヨモギ、またの名をエゾヨモギ、ヤマヨモギと呼ばれるもので

学名はArtemisia montana

生薬の艾葉として用いることができます

 

属名Artemisiaは古代の神話に登場する月の女神アルテミスに由来

アルテミスは豊穣と多産の守護神とされ

婦人病にヨモギをよく用いたと言われているそうです

 

神話って実話かどうかというより

宇宙の仕組みがシンボル的にストーリーとして表現されているもの

潜在意識に浸透しやすく深い理解へ導いてくれるものなのかなぁと

  

 

 

 

 

Pirkamerで扱わせていただいている

4MGさんのヨモギ茶との出逢いは

旭川のカフェで販売されていたものを購入したことからでした

 

それがヨモギ茶の概念が変わるくらい美味しかったのです

 

  

このヨモギ茶を生産されている梶さんはもともと美瑛町ご出身

長年アパレル系でバリバリ仕事されていましたが

数年前に卵巣癌ステージ4宣告を受けます

 

癌と向き合い、自分と向き合い、生命と向き合う中で

周りの仲間に助けられ

ヨモギのお茶に出逢い

そして何より自らの強い意志で未来に臨み

現在は経過観察中というところまで快復

ヨモギのお茶を伝えるという大切な使命を遂行されています

 

梶さんが助けられ、生きる希望を見出したように

ヨモギが婦人科系疾患の方の希望の光となるよう

ご自身とても勉強されています

 

製品の質にも大変こだわり

ヨモギの生育環境、状態、加工法に

情熱を注いでいらっしゃいますので

事業を進めていく中で

その想いを試されるような障害が様々に訪れ

ヨモギ茶作りの継続を迷われたこともあったそうです

 

それでも

 

癌の苦悩も

ヨモギ茶を作っていく中での障害も

振り返ればここに辿り着くためのお導きだったと

そう思えるような選択を重ね、現実を創ってこられたのです 

 

そこには

ヨモギ茶を楽しみにしてくれるお客さんや

ヨモギ茶作りを助けてくれる地元のお友達やご家族の存在がありました

 

 

 

季節はめぐり

また春が訪れます

冬の間に深い雪の中で秘めていたエネルギーは芽吹き

オオヨモギもぐんぐんと生長

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5月半ばから6月にかけて

梶さんはオオヨモギとともに一年で一番幸せな季節を過ごされています

 

早朝から晩まで収穫、選別、洗い、乾燥、取り入れ、事務仕事と忙しいながらも

柔らかく素敵な笑顔でオオヨモギに愛を注いでいらっしゃるのです

 

 

 

 

ここで、ヨモギ茶作りの様子をご紹介します

 

いつも早朝5:00〜5:30くらいから収穫

朝陽を浴びて輝くヨモギは大層美しいそうです

この日の朝は太陽は出ておりませんでしたが

露を帯びたヨモギが愛おしく思いました

朝に収穫すると昼間の太陽でスムーズに乾燥工程が進むそうです

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お茶作りに適したものを選び

来年以降もヨモギが元気に育つよう配慮しながら、、

 

 

 

だいたい2時間ほど収穫

ハウスへ運びます(車で20分くらい)

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葉っぱの一枚一枚の表裏を丁寧にチェック

虫が付いているもの、虫食いのあるものを除いて

茎から外していきます

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ある程度たまったら

洗濯機で洗浄、脱水

 

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洗い上がりシャッキリ

なんだかヨモギも気持ち良さそう

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ごみ取りネットにはヨモギの繊毛が回収されます

いわゆるお灸に使うもぐさですが、ゴミや虫さんも一緒なのでさようなら〜

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乾燥場であるハウスは広くはないのですが

とてもキレイに整理されています

ザルを4段に並べられるようになっています

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はじめは太陽を当てないように乾燥するため下段の方に広げます

陽に当たるときは上にザルをかぶせて遮光することも

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均一にきれいに乾くようときどきひっくり返しながら

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上段にあげてゆき

半分乾いた頃合いから日光に当てます

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晴れるとハウス内は50〜60度

上段のヨモギ部分は80〜90度くらいになり

天日でよく乾燥、殺菌されたお茶に仕上がります

水出しにもバッチリですね

 

乾燥の進んだヨモギ

深いシルバーグリーン

 

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天気にもよりますが晴天だと2日間ほどで完了

屋内の湿度の低いところで保管されます

 

流れがとてもうまくデザインされています

 

今後はもっと効率良くできるように

ヨモギのすぐそばにハウスを設けられたらとのことでした

 

4MGヨモギ茶の進化は続くことでしょう

 

 

 

長くなったので記事も次へと続く↓

ヨモギに逢う旅② - ピリカメル